8月全梗概感想完走

わたしが、梗概の感想をまとめてみようと思ったのは、今回のお題であった「ヒーロー」という言葉に突き刺さる梗概があったからです。そして、誰も、本人すらツイートしていない、ツイートがrobotの1のままでした。なので全面推しの文を書きたい(とかいいつつも淡泊な感想でした。)でも、あれ、それ以外にもあれもこれもと思うと、何かツイッターで気に入ったものだけをツイートするっていうのは、じゃあ、ツイートしないのは面白くないの?という意味?全ツイートするにも、文字制限で収まらないのもあるし。ということで、はてなに書いてみたのです。

でも、これが却って、熱量の多い少なさが表れてしまい、どうなんだろうか。書かれた人によっては、面白いものではなかったのかもしれません。もし、次回も書くことがあれば、基本的に、講座で梗概が選ばれたことのない人だけを応援解説していこうかしら。と思っています。

どなたかが書いているように、講座の審査のことを気にせずに、SFかどうかも全く気にせず。自分にあった題材で自分の文章で最後まで戦うんだ。と全梗概の勝手感想をまとめて思ったのでした。

8月梗概その3

人類未踏の地、6分の一の世界:泡海 陽宇

この、アピール文の「題材モデルにして、フィクションを書いてみることに!!(これって大丈夫ですか?)」は、すごいですね。いやわたしも、これって大丈夫ですか?と聞きたい。ちなみに、ご存知かと思いますが、アームストロング氏は、帰還してからの人生が興味深いです。大丈夫かどうかわかりませんが、実作を書かれるのでしたら、そっちまでも、ぜひ!

 

世代:宿禰

アピール文に「そうなってしまったのはたまたまです。最後のその時にその選択をするのが、強さと正しさ、という理屈で持ってまいりました。」とありますが、そうそう。そうですよね、話の流れがどうなるのかは、書いていても全くわからないから、宿禰さんも、そうでしたか。と強く肩を抱きしめたくなりました。

 

彼女は決して名乗らない:松山徳子

もうあれですよね。松山さんもSFじゃないって言われても気にしない派ですよね。と勝手にこっち側にしてしまいたいところです。最後の「明るく帰途に就くイリの姿に僅かな違和感を覚える」なぜ、違和感を覚えたのだろう。これは「この煌めきだ。彼女の口元は仄かに紅く染まっていたのだった」の彼女が口紅をしているから違和感を覚えたのだろうか。あれ、もしかしたら、最後のイリも、宗司だったということだろうか。そうしよう。

 

FLIX!!:東京ニトロ

わたしは、東京ニトロさんの前回実作が好きでした。個人的にはもう梗概じゃなくて、実作だけでよくない?物語より、文体、文章が面白ければよくない?という文体主義なので、はい、東京ニトロさんの実作は好きです。梗概は、今回のが一番好きですね。つっこみどころが沢山あるのが。「世間の目(習志野自衛隊等)」が、いちばん壺でした。たしかに、「SUNNY 強い気持ち・強い愛」に影響を受けたSFを書く受講生は少数派だと思います。

 

バグイーター:一徳元就

えっ、この話っていったい。と思っていると、アピール文に「本当は正義なんてなんでもいいやと思っていて」って、ああ、パンクだなあ、と思いました。

 

アーカーシャの遍歴騎士:宇部詠一

これは、すでに感想をツイートしたような気もするのですが、もしかしたら、全く逆のことを書くかもしれませんが、宇部さんは、やはりハードSFみたいな物を書いてほしいと改めて思ってしまいました。宇部さんは上手いひとだけど、もうね宇部さんは後半まで選ばれないで欲しいとすら、よくわからないけど思ったりしますよ。

 

赤い大地に降る雪は:揚羽はな

「治療法を模索していたアリシアのおかげで」というのは、アリシアがワクチンを打ったということ?そう書かなかったのは、違うことだったのだろうか。アピール文の「火星にも微生物がいた、というおみやげ」というのは、文中にもある「そもそも火星に微生物はいないのだから」が常識として前提だからなのですか?あー、微生物絶対いないのかあ。と惚けるわたしでした。

 

カンベイ未来事件:遠野よあけ

遠野さんは、アイコンのイメージで、10代美少年という風に想定して信じて疑わないので、もうそういう子。として眺めています。遠野さんの言う「火」とは勿論あの事件のことだと思うので、もっとそっちに寄ってでも、ぜひ実作はごちゃごちゃした〈物語/祈り〉を書いてください。そして、遠野さんの今回の梗概みて思い出したのですが、実作優先で梗概を捨てたという人がいましたが、来月実作を書くために、梗概はとにかく、まとまらなくても出す。っていうのはありだなあ。と今更気づきました。

8月梗概その2

ポポイの触覚 よよい

登場人物は二人なのに、何度も読み返すのは、やはりわたしは次第にいろいろな処理能力が圧倒的に無くなってきているのかもと不安を覚えました。いろいろわからないわからないと前回は言ってすいません。わからない方がおかしい、くらいに思ってください。

そして、ここでも、混乱したのは「ププイはポポイがププイの長く白い体毛を弄んで遊んだ同年代の集団から助け出したことがある。」で、普通は、“ププイはポポイから助けられたことがあるのを忘れなかった。”という流れだと思うのだけど、この文章は、主語がププイだから、違うのだろうか。やはり、ポポイがププイを助けたのだろうか、いやいや、ププイがポポイを助けて、昔も今も自分のことを重ねている?そして、最後の「ポポイはププイのため、ププイはポポイのために、お揃いの触覚をつけて共同体の中で生きていく。」は、緑の触覚なのだろうか。それはどうでもいいことなのだろうか。とか、またわからなかったのですが、いじめと物語みたいなところかもしれませんね。50枚だと、登場人物はこういう二人だけの物語で十分な気もします。わたしも、こういう二音重ねの名前で二人だけの関係性の物語を作ってみたいと思いました。でもラストは「義」というより、愛とか情のように感じました。

 

贄とオロチと :式

「不死のため蘇るカザシを「食い切る」ことはできない。そのためタツミは永遠にカザシしか食べられぬ体となった。千年もの間贄を食らわなかったタツミは贄を食らい続ける必要があるため、カザシに同行することにしたのだ」というような関係性は読んだこともなく、とても面白いと思いました。でも。タツミは、カザシに「同行」する。というのは、ここで既にどこかへ移動しているのだろうか。でも、他のオロチにも食べられているというのは、洞窟と洞窟を移動して、他のオロチに食べられている間も近くまででかけた、ということだろうか。あと、「タツミの体はカザシを受け付けなくなった。」で、あれとたちどまってしまう。「カザシはタツミの体を受け付けなくなった」と書かれていないと、頭に入らなくなる。もうわたしの日本語が不自由になっているのかもしれません。最後の「蘇ったカザシが見たものはナギ一人だけ。タツミの姿はどこにも見えない。」は、上手くていいのだけど、だけどそれなら。と思っていて「ヒーローは「人間の敵であるオロチを殺す」ナギです。」とあって、ああ、そうだよね。そうだけど。と思っていて「「百合SF」を書きたかっただけというのが本音です。」は、確かに。とおもいました。

 

Ground Island 岩森応

これは、最初に読んだときよくわかって、前半に書かれている、わからない行動が「GI」の導きで奇跡をもたらす仕組みがとても、面白いと思った。だけど、本日読んでみると、逆にわからなくなってきてる。ああ、もうわからないところなんか、あげられない。あまり、GIというゲームについて考えずに最後まで読めて、面白を感じられたのだと思います。なので、リアルにGIの説明をしなくても、あるいは、GIが何なのか、全くわからなくても、あの奇跡があったから。という構造は温かい、いい話だと思います。

 

白銀のクリアテキスト:大塚次郎

大塚次郎さんのいくつかの表現には、はっとさせられて、好きです。「ほぼ全裸のクリアテキストに近い生活は、苦しいながらも充実したものであった」とか「その態度を、仲間は「情」と呼び納得してくれた。」とかね。それと、「人間から見た熊や狼のような猛獣的情報生命体が、餌となる情報生命体を求めてやってくることだ。」は、なんでもなく、もうそういうものなのだ。ということで頷ければ、納得できるのですが。「私の与えた暗号化技術の影響だろう。転生したかつての「幽霊」たちもいるのだった。そして今日も、私は幽霊と猛獣情報生命体との戦いを陰から助けるのであった。」は、あれ、救援を呼ぶプランはどうなっているのだろう。まだ地球にいて、この猛獣生命体の戦いを助け続けているという解釈でいいのか、何か、読み取れていないのかも。と不安になります。

 

ムタビリスの庭:一色光岸

たぶん、冒頭の風景描写は、梗概にはなくてもいい部分なのかもしれませんね。庭から出て行った二人と、彼らを見送った芙蓉だと思ったのですが、最後の「正午0時。爆発音と共に液体金属が壁を貫き、壁の一部が抉られる。初めて見た外の世界はただただ荒涼としていて、それがどこまでも広がっている。」は、結局、庭を出られたのですよね。この壁というのは、脱出する乗り物?ではなくて、やはり建物の壁ですよね。すぐ、初めて見たそとの世界というのは、もう庭の外が「即」はじめてみた世界ということなのだろうか?でもアピールには、「最終的には未来の人類の希望」とあるので、ここから何かの活躍があって。そこらへんを「※突然の訃報でラスト2日が消滅…」ということなのでしょうか?

 

ゲームマスタ:武見倉森

よく読めてわかりました。でも、ゲームマスターになる。ということがどういうことなのか。もっと象徴的な意味がわかるようになっていれば、内側に入っていくとか、最後の玉座の争いで、自分がゲームマスターになるという

意味が重層的になるのかもと思ったりしました。あ、でもアピール文には書かれていました。

 

繭玉のたゆたい:比佐国あおい

和風のイメージと、人ならざるものたちの描写はよかったのですが、やはり最後に「満身創痍のオミとテナは自分たちがもう長くないことを悟り、生きた証を遺す。体を重ね合うと赤子が生まれる。かげは蝶でも鵺でもない、全く新しい「繭玉」が。」の繭玉って何だろう。それより、この体を重ね合うと赤子が生まれる。は瞬時に生まれたのか。でも、それで、子供作って終わりって、なにかムラムラしませんか?アピール文にも苦し紛れの。とあるので、作者もこれでいいか迷ったという点でしょうか。人型のヘロヘロになったヒーローとヒロインが体重ねて子供産んで終わりというのは、完全な続編の布石ですからね。ああ、ありか。

 

遺された角:村木言

また、恥ずかしながらわからないところがあります。「エーネがふと後ろを振り向くとマウリの姿はなかった。」で改行があって「そこには代わりに体長約四十センチの一本角を生やした人型生物、一角様が立っていた」という描写だと、マウリが一角様になった。と思ってしまうのは、やはり読み方の間違いでしょうか。でも、ずっとふたりで歩いていて、急にいなくなって、いなくなった理由も語られずに、最後に「後、数日迷い続けたマウリは」となるところに、えっ。となってしまうのも、読み違いなのか。って次第に自分が読み取れないことに恐がり始めています。ちなみに、この一角様は、ゴールデンゴールドに出てくる仏さんをイメージさせていただきました。冒頭の一文から、最後まで抑制された文体とイメージの描写は、本当に達者で羨ましいです。

 

プロフェッサー楓とアレクサンドロスの末裔:渡邉 清文

渡邉さんが使う体言止めの流れるような文章がいいですよね。論文なんかは後回しだ!が、最後に生きているし。細かなヒロインの設定もいいし、悪役だった少年も「根が聡明な少年は素直に理解し」と簡単に物語を進行させるのもいいですよね。と、渡邉 清文も早く選ばれてください。これがどうかは、全くわかりませんけど。

 

ヒーローの見えざる手:木玉文亀

また自分が理解しているかどうかが不安になるのですが、

「それでも自然災害はIHが登場する以前の頻度へと戻ったままで、地球改変は消滅。」というのは、改変が消滅。だから元通りの普通な状態になって、「我々は「神」を失ったと人々は嘆いた」ですよね。でも、それはつまり、見えざる手があると思ったら、それすら存在しない。「成層圏が傘のように覆われている」のも、特に特殊な状況ではなかったということでしょうか。何もなかったというのもありかもしれないけど、あー。「反面教師的な態度」なのですね。

 

オール・ワールド・イズ・ア・ヒーロー:黒田渚

最初の設定が面白く、ひきこまれました。まさしく、この物語自体も「ラストがハッピーエンドにならないストーリー」として集結していくのかなと思いつつも、「テビスは視聴者のすべてがAIに代わってしまったことを悟る」。ああ、そこまでは思えませんでした。「ヒーロー」というお題で、ああ、熱くならないのもありのなか。と唸りました。

 

選択子ノ宮:九きゅあ

前半は面白く読めました。でも終盤で台詞として「トロッコ問題は」って、この世界で唐突に喋らせるところに違和感を強く感じました。もちろんヒーローを描く主題で「トロッコ問題」を扱うのは、何も問題がないのですが、仮想現実で、「本当のあなたはトロッコ問題の判断を下すために創られた存在」はどうなんだろう。いや、実作があるなら読ませていただきます。

 

ロータス・ブレイヴ:宇露 倫

書かれていることはよくわかりました。ただ、逆に、つっかかりがなくて読めて変だなと。もうここまでくると逆に、「つっかからない物語」に違和感を覚えてしまいました。って、へんないいがかりのようで、申し訳ありません。きちんとしたヒーローなのですが、SFとしてのヒーローってこれでいいのか。というところが、わからなくなってしまいました。

 

ペテン師モランと兎の星:藍銅ツバメ

異世界の描写は、状況描写だけでなく、名前や職名がはまると、それもまた、その世界を描くことになるのだなとわかりました。それにしても、いろいろ適格にはまった描写と物語だと思いました。

 

ディスオリエント・エクスプレス:中野 伶理

実は、この梗概を紹介したくて、twitterのツイートだけでは、書ききれないだろうからということから、いっそ全員梗概感想となったような気がします。

最初は何だかわからない電車の描写が、ディックの地図に無い街ふうな、存在しない駅の物語かなと思っていたら、「乗客は一人で、思い入れのある品物の説明をし、気づけば明け方になり、二人はベンチに座っていた」も、あまりイメージがつかみ難い描写なのだけど、これが繰り返され、「秘密の隠し場所を捜すと、品はそのまま残っていた」も、何をしているのだろう。と思いながら、たぶん鈍いわたしは、最後の一行で、ああそういうことでしたか、と思ったのでした。悪く言うと、昔あったかもしれない掌編小説のようだけど、今回のヒーローとか正義とかいうお題を一番強く訴求している梗概だと思いました。

 

スタンド・アップ:西宮四光

最後の段にある、「ジェイはおれの隣で悲鳴を上げていたじゃないか」というのが、わからなかったのですが、最初に「帰りの電車から降りると悲鳴が聞こえた」が、もしかしたら、ジェイのことだったのでしょうか。でもないのか、そんなことと関係なく、「おれはジェイに向き合わなければならない、ここに集まってくれた奴らとも。そして何よりも自分と」と、あまりにも急に姿勢を変えたランパルトのように思いました。

 

赤いお父さん:泉遼平

わたしはこういう現実でヒーローを演じている物語が結構ダブるかなと思っていたのが、少なくて意外でした。

そして、内容アピールに書かれた作者の文が格好良かった。そうそう。ぜひ、「自分の作品がSFかどうか、はもう気にしないことにしました。目新しさもないかもしれませんが、地に足ついたもんを書き続けて、最後までこのスタイルで戦い抜きます」それは、全く正しいと思います。ぜひ、一緒にこのまま戦ってください。

 

生きている方が先:安斉樹

わたしもnetで、竈三柱大神やかまど神について、調べてしまいました。いや、知らないことって多い。もうね、ここでも、泉遼平さんと同じような感想もちました。

 

パノプティコンの中心にいる僕:藤田青土

たぶん、藤田さんでないと正確にはわからない、最初のA階からE階の人とそこから各階のヒーローショウの対比の微妙さが、かなり面白かったです。パノプティコンというっ言葉も始めて知りました。刑務所の施設だったのですね。画像としてとてもインパクトがあります。ありがとうございます。

8月の梗概をいろいろ読めていない(その1)

純粋な梗概の感想をサクサク書いていこうとしたのですが、きちんと読むと全然わかっていない。イメージをつかめていない自分がいました。多分に読み手の問題のような気がしますので、実作の参考にはならない点も多いとは思います。

それでも他人から何か自分の書いたことについて、「あーこー」言われるだけでにやにやできるという人のために、主に「ここがわたしには、わからなかったよ」みたいなものを書いてみましたので、あーこういう風によまれるのかよー。くらいにとってください。敬称略

52ヘルツの虚鯨:天王丸景虎

52ヘルツの鯨という言葉を初めて知った。感謝です。

一瞬作者がwikiすら作成したのかと思った。これ自体、本当のことではないかもしれない「52ヘルツの鯨」ようだけど、wiki説明の「世界一孤独な鯨」という説明自体にいろいろ想像が膨らむ。

電子棺桶が物理的にどういうものか、イメージできなかった。体が動かせない人が反応を出す機械のような物?

「鯨のような奇妙なノイズを発するその怪物」は、52ヘルツの鯨ではなく、一般的な鯨のこと?

ここでの、Brainfuck(ブレインファック)とは、何なのか?難解プログラミング言語のこと?

『ある映画(シャマランのアンブレイカブル)を見て「ひょっとして自分はヴィラン、悪役かもしれない」』の部分は普通、この説明で意味が理解できるのだろうか。映画を見たはずのわたしも、意味がわからなかった。ここでの意味は、お兄さんが、災難をわざと引き起こしていた、ということ?

そのお兄さんが、戦いに勝って消えた理由がわからなかった。そもそも何の戦いだったのか。ここで、「存在しなくて寂しい感」を出すのがカタストロフィなのだろうか。

最後の「奇妙な鯨のような声はもう聞こえない。」の鯨も一般的な鯨のことなのか。兄を52ヘルツの鯨と言っているのかがわからなかった。世界一孤独であることの比喩?タイトルを52ヘルツの虚鯨としているから、52ヘルツの鯨とは違う暗喩なのだろうか?

ざっと読んだときは、流れは面白いと思いましたが、再読すると実はいろいろ、わかっていなかった。でも、ぜひ今回は実作に辿り着いてください。

 

 

女の子から空が降ってくる:稲田一声

タイトルのイメージ力が強い。なんだろうと思わせて、「頭のすぐ上に広がる天蓋を両手と肩で支えている」

あー、そういう絵になるとは思えなかった。となるも、この言葉のイメージさせる世界観で最後まで引っ張られた。。と書きつつも、山より大きな柱の娘の一人であったエルクが木々に隠れて倒れていた。というのが、どういう山より大きい娘(男の子)が隠れていた森って、ああ、痩せてるのか?と思ったり。

お椀のような世界というと、え?中心側の娘は、端の娘より、また数倍大きい?

でも、そうなると、お椀の中心部の高さまでを支えているなら、いや、中心部一人でいいのでは?と思ったり。わたしの、お椀のイメージが間違っているのだろうか?

ラストは実際に壊さないで、夢想するところで終わらせるのがいいのか。

何れにしろ天が降ってくるイメージの描写は難しいけど美しいと思います。全体的に異世界の絵が浮かびやすく、展開の面白い話でした。

ちなみに、有名な中国神話でも天の蓋が落ちてくるのがあります。そして、そこから地上へ降ってくるのが、決まって魔物だったりします。

 

 

最後のコハダ:ひろきち

フィッシュペースト24を塗る、寿司とは、何の魚の味なのか?24種類の味ということなのだろうか?

源八の右腕が切り落とされたというのは、殺されたということ?右腕だけというのは、何か意味があるのだろうか?

「ナリ怖くても、シャリ優しく。サビはメリハリ、テキパキ握れ」は妙に切れがいい。

ひろきちさんの物語の展開と発想がとても好きです。ぜひ、この路線を追及して、やくざSFを完成させてください。

 

傷を舐めあう幻 :吾妻三朗太

文の改行の位置がおかしいからか、意味が取り辛いところがありました。

「馬鹿げた仕事も終わってみるとそれなりに打ち解けていた。」

の意味がわからなかった。馬鹿げた仕事とは「引き取って手間のかかる老犬、老猫の面倒を見ながら暮らす」ということなのか。でも、それが馬鹿げていること?そして、それが終わったとはどういうことなのだろうか?

この文脈は最後の説明「捨てられた動物の面倒を電脳上の暇な人々に面倒見させる事業」につながっているのか。

川尻がヒーローとなるべき人かもしれない、ということなのだろうか。

 

おまえは犬のように吠えたのか? 今野あきひろ

同じ会社で、仕事として、ヒーローと悪の結社が「会社員仕事」をする。そういう善と悪の象徴である男同士の社内恋愛。という構造が面白いと思ったのですが、。、。がんばります。

 

メリークリスマス:藤琉

ボランティアは、贈与に対する破壊活動なのか?ではなくて、本来贈与が無い世界の価値概念への破壊活動のことなのだろうか?

この贈与が存在しない貸付が全てという第二日本も魅力的世界だけど、そこの人々がボランティアに興味をもつ(持てる)というのが、わからなかった。

贈与中毒になっていくというのも、本来の第二日本がそうなるというのは、スパイの巧妙な策があったのだろうか。

「雄一郎がパンを持っていくと翔太に瓦礫を投げつけられ腕に噛みつかれた」が、贈与中毒ということは、あげる方ではなく、受けとる側が、無償で受け取りつづけないと中毒になるということ?でも、どうしてパンをもらうときにその中毒になるのだろう。

内容に関するアピールを読むと、「テロリストがサンタになる」は面白いアイデアだと思うけど、その前の贈与の活動というのが、テロリストというより、そもそも、「いい人」に読めてしまうので、違う価値観に行った「いい人が、自分でいい人と宣言する」みたいな流れに読めてしまいました。

 

君のしっぽが僕を知ってる:甘木 零

「ユウト君の……戻ることを願う」の「・・・・」部分が聞き取れなかったのは、校長が意図的にしたことではなく、偶然聞き取れなかった?そこが聞き取れないことと、あとで声を修復までして強調した「遺体が戻る」というのは、ミステリィ度を深めるためなのだろうか?なにか他の理由があるのだろうか。

失踪が続くと、なぜそれが幽霊騒動になるのだろうか?この幽霊騒動の意味が最後までわからなかった。

リュカとウニも続き、の「ウニ」って誰だろう?ここで初めて登場?ミミのこと?

『退学者たちを義体とすり替える計画だと言った。「それが幽霊に見えたようだ」』がわからなかった。希望して退学していく者たちに、義体をあげること?ではなくて、退学者の代わりに、義体を学校に置く事?でも、それが何故幽霊に見えるのだろうか?そもそもここでの義体って何だろう?

やはり、冒頭の「破損したハンググライダーが発見され」と、この義体との関連がわからなかった。

冒頭の「ハングライダー」は、ただ中洲で使う風景に合うから使ったのだろうか。他に何か意味があったのだろうか。などと最初は雰囲気でわかったつもりで、わからなすぎていた自分。

 

フード・オブ・ワンダー:中倉大輔

「約300年にもわたる努力の結果、人類は火星のテラフォーミングを完成させたが、直後に起こった戦争のために地表の殆どは砂漠化。人々は貧しい生活を余儀なくされ」とある、冒頭のこのかなり限定された社会下の物語である必要があったのだろうか?

リンの設置した時限爆弾が階下で爆発し、とあるのは、設定しておいたこの時間に偶然エルハを見つけて爆発したということなのだろうか?

建物全体が崩壊を始める。とあるのは、そのコロニー全部が崩壊して、そこに住む全員を殺してしまったということ?

「俺が落ちてきた時も、こうやって飛んだんだろ?」とあるのは、冒頭で作業中に落ちたというのは、故意に落ちたということ?

さっと読めたのに、きちんと考えると、いろいろわからない点が多かったです。

 

それはシアワセではありません:夢想真

サトルはサトミと再会して真実を知らされる。とあるが、ここでサトミが、真実「シアワセは人を腑抜けにさせる」ということを話せたということ?

サトミが真実を話すことが可能であれば、普通に人類に知らせられたのでは?

”月に向かい集合体意識と対決して『シアワセ』を破壊する。”の集合体意識とは何だろう。

そこれそ、サトミではない物体があったのか。それとも、目に見えないものを壊したということなのだろうか。

 

 

ハロー、アリス:古川桃流

まず、クラウドファイターの意味がわかりません。一般的に使われている言葉なのでしょうか?

クラウドでのファイターでもなく、ネットで検索して説明されている「クラウドファイター」と意味が違うような気もするのですが。→古川さんに「間接的に何か(人とか)を動かして戦う」と説明してもらいました。ただ、やはりそれでも、最後の意味がよく理解できない。

「サーバーの秘密鍵が開発者間で共有」というのは、運用的にありえるのだろうか?サーバーの秘密鍵とは、そもそもサーバーにログインするコードとは違うのだろうか。

一般参賀の出口である皇居の二重橋に向かって、より多くの人が集まり始めた。とあるのは、アプリの偶然のエラーということだろうか。意図的にそう動かしたということでなく。

ただ、藤井大洋さんラブは伝わりました。

 

魔女っ子ミントちゃん☆オーバーライド!:榛見あきる

ここがわからないのは、相当読む側の問題なのかもと思うのだけど、

「内戦の後遺症たる腐敗と不均衡な技術条約とが、無責任な薬品霧スモッグを生んだ。未だ潜伏する反政府組織対策で上空まで壁に覆われた」とあるのは、政府側が意図的にスモッグ状態にしている?

でもエチカは政府側の衛生局?「少年と別れ目的地のスタジオに着いたエチカは、言えなかった言葉を、収録マイクに叫んだ。もう声を殺して泣くのはまっぴらだった。「この街のみんなを助けるため、魔女っ子ミント、オーバーライド!」」とは、少年のためにも、青空を出してあげたかった事?それがどうしてこの「魔女っ子ミント、オーバーライド!」と叫ぶことに関係があるのかわからなかった。「収録が終わり、企画会議が始まる。」と続いてあるから、ここでは、叫んだ言葉は放送されずにまだ収録されていただけで、最後に繋がる?

さらに肝心な「 徐々に街に降りかけていた薬品霧は払われ、ミントを投影する霧も風で霧散する。

 その後、博士は衛生局で確保され、エチカは呼吸器の汚染で入院した。」ここの映像的な効果はわかるのですが、ミントの映像は、その場で見ている人にだけ意味がある?呼吸器の汚染で入院するのは、エチカだけで、街の人は何故影響がないのだろうか?

だから書いておく

SF創作講座では、提出された梗概が、優秀作が毎月4作選ばれているのですが、自分自身は「あ、これはずっと選ばれないだろうな」という予感を強く持ちつつ、何とか最後まで完走できるよう、こつこつ記録していこうと思います。

というよりも、実は毎月選ばれていない人の中にいくつも、わたしとしては、面白いものを書いている人たちがいるので、特にまだ選出されていない人たちを応援したい。

講座は殆ど出席できそうもないので、せめて何らかの形で、みなさんの作品も読んでいますと、感想をあげていこうと思いました。

と、梗概を1/3きちんと読んで、それをまとめようとすると、実は、多くの文章を理解できていない自分を発見しました。これは多分に読む側の問題でもあるので、実作を書く際に、わたしの疑問点に答える必要はないのかもしれません。そして、梗概の1200字という妙に長いために起こる「わからなさ」もあるし、そもそも、そこは何も重要でない点かもしれません。この自分のわからなさが、わたしの個性なのか。

そもそも、この「わからないこと」の説明自体がわからないかもな。とも思いつつ、もちろん、取り上げてほしくないなどがありましたら、連絡をお願いします。